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インフルエンザ消毒薬を開発 根路銘・生物資源研究所長
琉球新報 2008年10月17日

 【名護】名護市の生物資源研究所の根路銘国昭所長が、沖縄に自生するセンダンや
ハンノキの成分を活用して、インフルエンザ消毒薬を開発した。

消毒薬は7月に製法から活用法まで含めて特許を取得し、日米の製薬会社との事業提携も内定している。
鳥インフルエンザが流行しているアジア諸国への提供も視野に入れ、来年4月の製品化を目指す。根路銘所長は「やんばるは宝の山だ。沖縄から世界の人々を救うために発信したい」と意気込んでいる。
 根路銘所長は、国立予防衛生研究所呼吸器系ウイルス研究室長などを務め、ウイルス研究やワクチン開発の国際的権威として知られる。
消毒薬は、センダンとハンノキの幹や枝の抽出液と、木くずにして紫外線を照射し、特殊な色素を加工した乾燥粉末。
沖縄に自生する数百種類の植物の中から、実証実験により、センダンとハンノキにインフルエンザウイルスの殺傷成分を確認した。
 10万―100万個のウイルスを含む液十立方センチメートルを入れた容器に5ミリグラムのセンダンの乾燥粉末を入れた実証実験では、10分後の測定で50万個以上が死滅した。
実験には鳥インフルエンザのほか香港型、ソ連型、B型のウイルスを使用。ハンノキでも同様の効果を確認した。
乾燥粉末は1カ月程度効果が持続するため、養鶏場での散布向きという。
 マウス実験では、抽出液を50分の1に希釈してスプレーし、ウイルスを感染させて10日間観察した結果、スプレーしていないマウスは出血性肺炎を発症して死んだのに対し、スプレーされた方は発症しなかったという。
 消毒薬を多くの人が感染しやすい公共交通機関や病院、学校などで使えるよう、加湿と空気清浄ができる機器の開発も目指し、国内の電機メーカーとも交渉を続けている。
 製品化に当たり、原料となるセンダンやハンノキが北部地域から乱伐される可能性も課題に挙げ、名護市と協力して安定供給の体制づくりにも乗り出す方針だ。
 根路銘所長はこの消毒薬の効果などについて、来年3月に開かれる日本公衆衛生学会や日本感染症学会で論文を発表する予定。(慶田城七瀬)

 

沖縄に自生するセンダンとハンノキ
からインフルエンザの消毒薬を
開発した根路銘所長=16日、
名護市名護の生物資源研究所

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